業務改善って聞くと、何か新しいシステムを導入したり、
高価なツールを買ったりするイメージがあるかもしれない。
でも実際は、「今あるもの」をどう使うかを少し変えるだけで、
大きな成果につながることがある。
今日の話はそんな、“ちょっとした使い方の見直し”が、
スタッフの働きやすさにつながった事例について。
変えたのは、やり方でも道具でもなく、「使い方」だけ。
それだけで、現場の空気が少し柔らかくなった気がしている。
新しいものを買わなくても、改善はできる
職場では日々、いろんなことが“なんとなくの流れ”で動いている。
その中には、誰も疑問に思わないまま続けているルールや使い方がある。
今日、そんな“慣れ”の一つを見直す機会があった。
きっかけは、あるスタッフのひと言。
「あれ、これってかかってくるだけじゃなくて、こちらからかければ良いんじゃないですか?」
それを聞いた瞬間、ハッとした。
「なんで今までこれを“当たり前”として続けてたんだろう」って。
すぐに試してみた。
すると、周りのスタッフからも──
「わざわざ行かなくても済むし、時間コスパがとてもいいですね!」
と、自然に笑顔がこぼれた。
道具を買い替えたわけでも、作業手順を一新したわけでもない。
ただ、“使い方”を少しだけ変えただけ。
でもその小さな変更が、思った以上に現場をラクにしてくれた。
今回はそんな「見直し改善」の記録を残しておきたいと思う。
使い慣れたものを“別の角度”で見てみる
今回見直したのは、“連絡の取り方”だった。
これまでは、ナースコールやマットセンサーが鳴ったら、
「部屋まで走って直接確認する」のが当たり前の対応だった。
たとえば、「マットセンサーが鳴った、転落するかもしれないから急がないと」といったスタイルだ。
しかも実際には、入居者様だけでなく、スタッフやご家族が誤って踏んでしまうこともよくある。
そのたびに走って確認に行き、結果的に“空振り”になることも少なくなかった。
そんな中、あるスタッフがぽつりとつぶやいた。
「これって、こっちから先に電話すれば済む話じゃないですか?」
そのひと言で、発想がガラッと変わった。
実際にこちらからかけてみると──
- 確認事項がその場で解決
- 人の往来が減って、バタバタ感も軽減
- 慌てず目の前のことに集中できる
と、想像以上に効果的だった。
特に現場スタッフからは、
「行かなくても済む」
「自分のタイミングで対応できる」
といった前向きな声が次々に上がり、
無駄な移動や“待たされるストレス”もぐっと減った。
この改善は、目立つ変化ではない。
でも、日々積み重なる負担の一つを確実に減らしてくれた。
改善って、大きな改革じゃなくてもいい。
こういう“気づきと見直し”の積み重ねこそが、働きやすい現場をつくる力になると実感した。
“変える”より“ずらす”──抵抗のない改善の形
今回の改善がうまくいった理由のひとつは、
「ゼロから作り直したわけではない」という点だった。
使っていた道具も、やっている業務も何も変えていない。
ただ、「受ける側から、かける側へ」と連絡のスタイルを少し“ずらした”だけ。
その“ちょっとした軸のずらし方”が、現場にも上司にもすんなり受け入れられた。
無理をしない改善。
特別な導入もいらない改善。
そんな“抵抗のない仕組み作り”が、職場を少しずつラクにしていくんだと思う。
改善とは、“誰も無理しない仕組み作り”
まとめ:予算も変化も最小、だけど効果は最大
業務改善って、何か大きな変化や投資が必要だと思われがちだけど、
実際は「今あるものの使い方を見直す」だけでも、大きな成果が出ることがある。
今回の見直しは、たったひとつの発想の転換だけ。
「受ける」から「かける」へ。
それだけで、スタッフの動きはスムーズになり、
現場の空気が少しだけやさしくなった気がした。
誰も無理をしない。
新しいツールを覚える必要もない。
でも、いつも感じていた小さなストレスが確実に軽くなる。
そんな“ちょっとしたずらし方”が、
「改善は、自分にもできるかもしれない」と思わせてくれる。
この記事が、
「職場をもっと良くしたいけど、どこから始めればいいのかわからない」
そんな誰かのヒントになれば嬉しいです。
💡次回の記事はこちら(近日公開予定)
▶︎ 「任せたら、とんでもないことに。再開した在庫管理で思ったこと」
今回の改善がうまくいった矢先
1ヶ月間任せていた“食材在庫の管理”が、ひどい状態になって返ってきた。
結局6時間、一人で黙々と在庫整理。
それでも僕がまた立て直そうと思った理由を、次回は正直に綴ります。